数学が苦手な人   

ヒルベルト

きょうはロシア生まれでドイツの数学者、論理学者 ダフィット・ヒルベルトの誕生日だ。
1862年生誕〜1943年逝去(81歳)。
ロシアのケーニヒスベルク(現 カリーニングラード)で生まれた。
不変式論、抽象代数学、代数的整数論積分方程式幾何学の公理系の研究、一般相対性理論など おそらくは、数学の全分野に精通した二十世紀最後の数学者で、業績は非常に多岐にわたっている。
ヒルベルトは1899年37歳の時、世界中の読者を感動で青ざめさせた「幾何学の基礎」という書物を刊行した。
1900年彼が38歳のとき、第二回パリ国際数学者会議でその一部が示された「ヒルベルトの23の問題」は、その後の数学者の最も魅力的な宿題として有名であり、この問題はある意味で二十世紀の数学の方向性を形作るものになった。現在においてもリーマン仮説などが未解決問題として残されている。
その他、ヒルベルト空間、ヒルベルトの基底定理ヒルベルトの零点定理 その他多数の足跡が残されている。
彼の公理論と数学の無矛盾性の証明に関する計画は「ヒルベルト・プログラム」と呼ばれている。
ヒルベルトの数学理論が現代数学に与え続けている影響は計り知れない。
影響力の大きさから考えて、彼は十九世紀末から二十世紀初頭にかけての最大の数学者と評価されている。
ヒルベルトは数学について全般的に成果を残しているが、それに加えて物理学など科学の分野においても種々の考察をしている。単分野を深く追求することは重要だが、より広い知識により多くのアイデアが生み出されるようだ。
数学が苦手な人は多いが、企業の生産活動において、マーケティングから営業、商品の設計、製造、経理など数学抜きでは成立しない。
数学とは言わないまでも、数字の便利さについては理解するようにしたい。

 ★ヒルベルトの23の問題★
  第 1問題 連続体問題
  第 2問題 算術の公理と無矛盾性
  第 3問題 等底・等高な四面体の等積性
  第 4問題 二点間の最短路としての直線の問題
  第 5問題 位相群がリー群となるための条件
  第 6問題 物理学の諸公理の数学的扱い
  第 7問題 種々の数の無理性と超越性
  第 8問題 素数分布の問題、特にリーマン仮説
  第 9問題 一般相互法則
  第10問題 ディオファントス方程式の可解性の決定問題
  第11問題 任意の代数的数を係数とする二次形式
  第12問題 類体の構成問題
  第13問題 一般7次方程式を2変数の関数だけで解くことの不可能性
  第14問題 不変式系の有限性の証明
  第15問題 代数幾何学の基礎づけ
  第16問題 代数曲線および曲面の位相の研究
  第17問題 定符号の式を完全平方式を使った分数式で表現すること
  第18問題 結晶群・敷きつめ・最密充填
  第19問題 正則な変分問題の解は常に解析的か
  第20問題 ディリクレ問題の一般化
  第21問題 与えられたモノドロミー群をもつ線型微分方程式の存在
  第22問題 保型関数による解析関数の一意化
  第23問題 変分学の方法の研究の展開



ヒルベルトのことば
  「この楽園からわれわれを追放することは誰にも許されない」
  「我々は知らねばならない、我々は知るであろう」
  「点、直線、それに平面と言うかわりに、
    いつでもテーブル、椅子、それにビールジョッキというように
      言い替えることができなくてはならないのだ」


ヒルベルトの本
  復刊 ヒルベルト空間論
  ヒルベルトの挑戦―世紀を超えた23の問題
  ヒルベルト空間のスピノル POD版
  工学系学生のためのヒルベルト空間入門
  実践学としての授業方法学―生徒志向を読みとく
ヒルベルト空間のスピノル POD版ヒルベルトの挑戦―世紀を超えた23の問題復刊 ヒルベルト空間論