大きな心の支え   

スウィフト

きょうはイギリスの作家 ジョナサン・スウィフトの誕生日だ。1667年生誕〜1745年逝去(77歳)。

イングランド人の両親のもとにアイルランドで生まれた。しかし父親は彼が生まれる数ヶ月前に亡くなり、母親も彼を産んだあと彼を残してイングランドへ戻ってしまったので、彼は孤児になり親戚の家で育てられた。

名門の大学に入学したが、学業を怠り規律を守らず極端な問題児だったようで、特別なはからいでやっと卒業した。 卒業後は親戚の元外交官の秘書を務めるかたわら、風刺文を書いたりしていた。
政界への野望を持っていろんな党派と近づこうとしたが蹴落とされ、結局30歳頃に僧職につき教会の主席司祭になって生涯を過ごすことになった。
1726年59歳の時、「ガリバー旅行記」を発表し、多くの人々に愛読され版を重ねた。生まれ育った環境の影響もあるが、世の中をひねくれた目で見る傾向が強く、「ガリバー旅行記」も子供向けではあるが痛烈な風刺の本である。
彼は持病の「めまい」に悩まされ続け、晩年は痴呆状態となり精神異常をきたして亡くなった。遺言により、遺産は精神障害者の病院設立に当てられた。
彼は非常に賢く機知に富んだ人だったようだが、それがゆえに素直に話せる友人がいなくて、物事がうまく進まなくなった時にも誰にも相談できず、一人で思い悩んで落ち込み、投げやりになっていたのかもしれない。
経営者でも一般社員でも、いわゆるウツ状態になる場合はあるが、そんなとき何でも素直に相談できる人が一人でもいれば、大きな心の支えとなり乗り越えることができるはずだ。日頃からこのような人にめぐり合える努力をし、見つけ出しておくことができれば、人生を楽しく豊かに送ることができる。     


スウィフトのことば
  「一つの嘘を通すためには、他の二十の嘘を工夫せねばならない」
  「自分の目的は人々を楽しませることではなく、怒らせることだ」

 
スウィフトの本  スウィフト伝―「ガリヴァー旅行記」の政治学スウィフト伝―「ガリヴァー旅行記」の政治学
           ガリバー旅行記 (子どものための世界文学の森 3)ガリバー旅行記 (子どものための世界文学の森 3)