トップを維持していく

きょうはイタリアの実業家、Ｆ１と高級スポーツカーのフェラーリ創設　エンツォ・フェラーリの誕生日だ。
１８９８年生誕〜１９８８年逝去（９０歳）。

イタリア半島のモデナ郊外で鉄工場を営むごく普通の家庭に生まれた。兄はアルフレード（通称ディーノ）。エンツォは１０歳の時、父に連れられボローニャでカーレースを見て感激した。１６歳の頃にはスポーツライターとしてある程度有名になったが、やはりレーシングドライバーになりたかったようだ。１９１６年に父と兄を病気で失った。翌年エンツォは徴兵され、そこでインフルエンザにかかり治療不能と診断されるが何とか治っている。このときエンツォ２０歳。

第一次世界大戦の終戦後、後にライバルとなるフィアット社に就職を断られ、ＣＭＮ社に採用されることでレースカーの世界へ入り、１９１９年２１歳のときテストドライバーとしてデビューした。その後、名門アルファ・ロメオに移籍しレーシングドライバーとして２０年近く活躍した。

当時グランプリは事実上フィアットに支配されていて、アルファ・ロメオは所詮敵ではなかった。しかしエンツォは他社から開発エンジニアと設計者を引き抜き最強のマシンを作り上げた。これがエンツォがマネジメントの才能を発揮するようになった瞬間であった。そしてアルファ・ロメオはフィアットを打ち破り、王者になった。これを機にフィアットは衰退していった。

しかしアルファ・ロメオは財政難で、レースからの撤退を余儀なくされる状況だった。アルファ・ロメオのレース活動中止に伴い、エンツォは故郷のモデナにアルファ・ロメオのディーラーとしてガレージを設立した。
その頃結婚した妻ラウラと「子どもができたらドライバーを引退する」という約束もあり、エンツォはコックピットには乗らなくなった。

１９２９年３１歳の時、最高のレーシングチーム、「スクーデリア・フェラーリ」を結成した。この設立は、あるパーティで偶然同席した裕福な若きドライバー二人との話がきっかけとなった。「レースに勝つためには、自分達でスクーデリアを結成することだ」と言って、二人を巻き込み設立した。こうして１９３０年３２歳の時、デビューしたが結果は無残だった。しかし２ヵ月後のレースでは、ドリフトを発明した狂気の走り屋ヌボラーリをドライバーに迎え初優勝した。

その後財政難などで低迷し、レースに参加できない状況に追い詰められるが、当時圧倒的な強さを誇るドイツのメルセデス・ベンツを倒すために再起をかけ、１９３５年イタリアのために果敢に闘い、かけ離れた高性能のメルセデス・マシンに勝った。この頃から、エンツォはサーキットには決して足を運ばなくなったようだが、この勝利には狂喜乱舞したようだ。

その後スクーデリア・フェラーリは産みの親であるアルファ・ロメオと対立し、解散させられ、エンツォは打倒アルファ・ロメオを目指し、Ｆ１に参戦することを決意した。
１９４７年、フェラーリの名前を冠したティポ１２５で初めてのレースに出場した。
１９５０年52歳の時に現在のＦ１ワールドチャンピオンシップがはじまるが、それ以降、フェラーリは最も有名な伝統あるＦ１チームとしてその名を浸透させてきた。

第二次世界大戦後、エンツォはレーシング・チーム兼自動車メーカー「フェラーリ」を興した。スーパースポーツカーを開発・市販することでレースの資金を稼ぐ。当初この方法で会社は経営され、レースでは様々な伝説的偉業が成し遂げられた。だが１９６０年代も終盤になると、さすがにこの体制は続けられず、フェラーリはフィアット傘下に収まった。以後フィアットとの密接な関係を保ちながら、様々なスーパースポーツカーの市販、そしてレースでの活躍を同社は続けている。
フェラーリの歴史はまだまだ始まったばかりかもしれない。

自動車レース業界は、高度な製造技術に加え、最高級の組織を莫大な資金で支えていく必要がある。その中でトップを維持していくためには、なかなか理解できない世界があるのだろうが、やはり組織として一人ひとりが自分の役割を確実にこなすことだろう。また突発的なトラブルへのスピーディな対応も要求されることだろう。
それは企業においても同様である。Ｆ１をそのような目で見るとまた違った感動があるかもしれない。


フェラーリのことば
　　「レースとはすばらしい興奮をもたらすものだと発見した」
　　「幸先のいい失敗だった」
　　「フェラーリはタバコを吸わない」


フェラーリのＤＶＤ
　　フェラーリ伝説 ENZO FERRARI the man,the legend [DVD]
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　　20世紀の巨人 偉人列伝 フェラーリ~ポルシェ他 クルマとスピード [DVD]

　　　　　　　　　
フェラーリの本
　　エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像 (集英社文庫)
　　フェラーリ 赤い帝国―華と艶で彩られた男の肖像　　
　　エンツォ・フェラーリの生涯
　　エンツォ・フェラーリと自動車レース
　　自動車世界遺産。―エンツォ・フェラーリからシトロエンDSまで。
　　チーム・フェラーリの全て
　　聖典版　そのフェラーリください！

　　　　　


　☆エンツォ・フェラーリ☆
　　創業者の名前をそのままモデル名にした、これぞフェラーリ。
　　世界限定 399 台のうち、日本へのデリバリー予定は約 30 台。
　　【主要諸元[参考値]】
　　　ボディサイズ　　　：全長 4,702 mm、全幅 2,035 mm、全高 1,147 mm
　　　エンジン　　　　　：5,998 cc　65 度 V 型 12 気筒 DOHC
　　　車両重量　　　　　：1,365 kg
　　　最高出力　　　　　：660 ps / 7,800 rpm
　　　動力性能　　　　　：0 - 100 km / h　 3.65 秒
　　　価格（手数料・税込）　：125,600,000円