生存競争で生き残る   

ダーウィン

きょうはイギリスの自然科学者、進化論の提唱者 
チャールズ・ロバート・ダーウィンの誕生日だ。
1809年生誕〜1882年逝去(73歳)。

イングランド西部のシュズベリに裕福な医者の子として生まれた。父方の祖父は著名な医者エラズマス・ダーウィン、母方の祖父は製陶業の創始者ジョサイア・ウェッジウッド。10歳頃から昆虫や貝殻、植物、鉱物などに興味を持ち、標本を集めていたようだ。

エディンバラ大学の医学部に入学。途中からケンブリッジ大学のクライスツ・カレッジに転校し神学を専攻した。この頃ダーウィンは、家系としての医学の道を性格的に受け入れることが出来ず、途中で動植物学の分野へと学問の道を変えた。その時、指導を受けたのがヘンスロー教授だった。1831年22歳で大学を卒業した。
同年、イギリス海軍の軍艦「ビーグル号」(バーク型帆船)が測量のために南米に行くにあたり、艦長のロバート・フィッツ・ロイが同行する博物学者をケンブリッジ大学に求めたところ、恩師ヘンスローたち教授陣はダーウィンを推薦した。艦長が求めたのは、紳士で礼儀をわきまえ若くて教養のある人物だった。無報酬ということもあり裕福でなければならず、博物学に興味をもっている点でダーウィンは最適な人物だった。

ダーウィンが乗り組んだ「ビーグル号」は、12月末にイギリスを出港した。大西洋を横断し南米の東海岸へ、ホーン岬をまわって南米の西海岸へ、リマからガラパゴス諸島を通って、ニュージーランド、オーストラリアと太平洋を横断し、インド洋のモーリシャス諸島をへて、アフリカの喜望峰をまわり、再び大西洋を横断し南米の東海岸へ、そして、三たび大西洋を横断し、5年後の1836年10月、イギリスに帰港した。文字通り世界一周の旅だった。

この航海は1839年30歳のとき、「ビーグル号航海記」としてまとめ出版した。この航海中、博物学の立場から広く動植物や地質の調査をし、地域的な環境の違いによる多くのデータを収集した。特に赤道直下にあるガラパゴス諸島で珍しい鳥の変異などを観察し、生物の変異の仕方に着目した。
14種類ものアトリ科の鳥、フィンチの変種が各々の変種毎に群島のあちこちの特定地域に繁殖しているのを発見した。彼は、元々は1つの種類であったこの鳥が、長い年月の中でそれぞれの環境に合わせて変化したと考え「進化論」を唱えた。

ダーウィンは、大学教授のみならず地主として自由に研究し、生物の進化を示す多数の事実を収集する一方、自然淘汰によって進化が行われることを証明して、1859年50歳のとき、「種の起源」を出版した。「生物は下等で簡単なものから次第に高等なものへと進化してきた、その原因は生存競争による自然淘汰である」ことを豊富な実例によって説明し、人間もまた猿に似た動物から進化したと説いた。

彼の「進化論」は宗教界から激しい反対を受けたが、内容が科学的でしかもそれが豊富な実例によって裏づけられているため、強い説得力を持っていた。1877年ケンブリッジ大学ダーウィン名誉博士号を贈った。
ダーウィンによる進化論は物理学におけるニュートン力学とならび、思想や哲学にも大きく影響を及ぼし、その後、多くの人々の自然観や世界観の形成にも大きな変革をもたらすことになった。

ダーウィンは裕福な家庭と優れた思考力を併せ持っていたが、ヘンスロー教授との出会いにより医学から動植物学の分野を目指すようになり、生存競争で生き残ることになる。そして「ビーグル号」による探検へとつながり、それが人類にとって大きな遺産を残すきっかけになっている。

企業において、優れた才能を持っていても、業務内容や人間関係で適応できなければ、それが生かせないことになる。それは自分自身の努力で切り開いていく部分も多くあり、ただ待っているだけでは生き残る確率が低くなってしまう。

ダーウィンのことば
  「唯一生き残るのは、変化できる者である」
  「何が人を発見者にするのか
    それはあらゆる現象の原因を常に探し求め続ける力である」

ダーウィンのDVD
  ダーウィンの眼 ~新ビーグル号探検記~ 1~3 3巻セット [DVD] ダーウィンの眼 ~新ビーグル号探検記~ 1~3 3巻セット [DVD]




         
ダーウィンの本
  ビーグル号航海記 (研究社小英文叢書 (14))
  ダーウィン著作集〈1〉人間の進化と性淘汰(1)〜(3)
  種の起原〈上〉 (岩波文庫)(下)
  ダーウィンのブラックボックス―生命像への新しい挑戦
  キリンの首―ダーウィンはどこで間違ったか
  ダーウィン:進化の海を旅する (「知の再発見」双書)
ダーウィン:進化の海を旅する (「知の再発見」双書)キリンの首―ダーウィンはどこで間違ったか種の起原〈上〉 (岩波文庫)ダーウィン著作集〈1〉人間の進化と性淘汰(1)