批判やグチだけでなく   

「失楽園」にも登場する悪魔サタン

きょうはイギリスの詩人 ジョン・ミルトンの誕生日だ。
1608年生誕〜1674年逝去(65歳)。
裕福な公証人を父としてロンドンに生まれた。父の影響で清教徒になり、ケンブリッジ大学在学中から古典研究と詩作を行なった。卒業後も定職に就かず、父の別荘で詩の制作を行い詩人として認められるようになった。
当時イギリスでは、国王派が市民階級や清教徒を弾圧し、内紛状態が続いていた。彼は1642年の清教徒ピューリタン)革命で議会派のクロムウェルを支持し、秘書官という共和国公職に就き外交文書を作成する傍ら、論争の最前線に立ち、国王の処刑を訴えた。
しかし、1651年43歳の時、過労のため両目を失明する悲劇に見舞われた。さらに、クロムウェルが急死し、1660年王政復古となり、この革命は無惨な失敗に終わってしまった。
失意の中で、約5年の歳月をかけ口述筆記により、イギリス文学史上屈指の名作「失楽園」を完成させた。その後も「楽園の回復」「闘士サムソン」を全て口述筆記で完成させていった。これらにより彼は、シェークスピアと並びイギリスの大詩人と称されている。
詩人が民衆の革命の先頭に立つというのが、現代の状況とはずいぶん違う感じがするが、当時の彼の状況から考えると、詩人という立場を超え一市民として精一杯の主張だったのだろう。
今日の会社においても、自分の意見を主張することは大切であり、批判やグチだけでなくどうしたら良くなるかという改善案も含めて、どんどん提案したいものだ。また、その環境とか社風を全社員で作り上げていく努力も必要なことだ。


ミルトンのことば
  「生命を愛すな、憎むな。生くる限りよく生きよ。その永き、短きは天に譲れ」
  「統治すると見せかけて不正を働く輩は、公然たる敵よりも始末が悪い」
  「心は独自の世界だ。その中では天国も地獄に、地獄も天国に成り得る」


ミルトンの本  失楽園 (研究社小英文叢書 (280))
          楽園の回復・闘技士サムソン