切羽詰まったもの   

アームストロング砲

きょうはイギリスの発明家であり実業家 ウィリアム・ジョージ・アームストロングの誕生日だ。1810年生誕〜1900年逝去(89歳)。
若い時に弁護士事務所で働いたのがきっかけで法律を学び弁護士になろうとしたが、機械に興味を持ち37歳の時機械工場を創設し、回転式水力発電機や水圧起重機を発明した。その後大砲を改良しいわゆるアームストロング砲を発明した。
これは大砲として画期的なもので、49歳の時イギリス政府からナイトの称号を与えられ、国の重要ポストにも就いた。
彼は兵器工場アームストロング社を設立し、大兵器製造企業に成長させた。そしてイギリスをはじめ全ヨーロッパに経済的、政治的および軍事的な影響をおよぼした。
日本史にアームストロング砲が登場したのは1863年の薩英戦争である。薩摩藩は射程距離1500〜3000mの大砲だったが、英国軍艦は射程距離5000mのアームストロング砲を装備しており戦争にならなかったようだ。しかしアームストロング砲は安全性が極めて低く砲身がたびたび爆裂した。
そこで佐賀藩はアームストロング砲を高性能に改良し、砲隊や軍艦の艦載砲に採用することで、官軍内で最強の火力を持つ事になったようだ。
戦争による技術の進歩というのは誰もが認めるところであるが、やはり国の存続がかかっているし家族や自分自身の命がかかっていて、切羽詰まったものがある。
企業も戦争にたとえられる場合があるが、本物の戦争はボクシングのように向かい合って打ち負かすまで対戦するが、企業間の場合はマラソンのように横に並んで行い、順位はつくが2位でも自己ベストなら満足感もある。
しかし企業間においても、気持ちはNo1もしくはOnly1を目指すべきで、全社員が勝ちたい気持ちになっているかどうかが問題である。相手を転倒させて優位にたつことを考えるより、自力で優位にたつ工夫をすべきだ。


アームストロングの本  アームストロング砲 (講談社文庫)アームストロング砲 (講談社文庫)
               薩英戦争