迷うまでもなく   

川合玉堂

きょうは日本画家 川合 玉堂(かわい ぎょくどう、本名 川合芳三郎)の誕生日だ。1873年生誕〜1957年逝去(83歳)。
愛知県に生まれた。14歳で一旦京都に出て絵を学んだあと上京した。山村や田園風景など日本の自然とともに生きる人々の生活を主題に描き続け、詩情豊かな独自の風景画の世界を確立し「国民的画家」として広く愛されている。この間、文展審査員、東京美術学校教授、帝国芸術院会員などを歴任し、のちに文化勲章を受章した。横山大観竹内栖鳳と共に日本画壇の三巨匠といわれる。
彼の絵は、美しい山河、素朴で人間味あふれる山里の暮らしなど、急速に自然が失われつつある現代も心の中に生き続けている「永遠の日本のふるさと」の原風景だ。
そこに登場する点景の人物はたいてい農作業なり魚取りなりをしていて、古き良き時代の日本の風景はこうであっただろう、という事を彷彿とさせる。
京都画壇にも東京画壇にも染まらない、中庸のポジションを、画風の上でも人間関係の上でも貫いたようだ。東西の伝統画風に根ざしながらも、むしろ人の生活と調和した「自然」を変わらぬモチーフとした独自の世界を描き続けた。
人間関係の面では、東京画壇と京都画壇のいざこざをうまくまとめるために、一働きしたこともあったようだ。
中庸といえば聞こえはいいのだが、会社においては、どっちつかずでは相当な力量が無いとどちらからも相手にされないし、どっちにもつくと八方美人とか悪くは二重スパイになってしまう。
そのような状況を作り出している経営に問題があるのだが、どちらにしようかと迷うまでもなく、そんな会社の先行きはほとんど期待できない。

川合玉堂のことば  ・・・「別に工夫無し」


川合玉堂の本  川合玉堂 (アサヒグラフ別冊美術特集 日本編 58)
           川合玉堂写生帖 (山水編) 川合玉堂写生帖 (花鳥編)
  鵜飼