タイミングが重要
きょうは歌人で国文学者 落合直文(なおぶみ、旧姓 鮎貝、後には直文を改め萩の家)の誕生日だ。1861年生誕〜1903年逝去(42歳)。
仙台の伊達藩筆頭家老鮎貝盛房の次男として生まれ、14歳の時に国学者落合直亮の養子となった。上京し国文学や漢学を学び、辞書や教科書の編纂を数多く手がける一方、多くの人々に唱歌として親しまれた「孝女白菊の歌」や「楠公の歌」などの作品を発表し、日本の新しい詩歌の誕生に大きな役割を果たした。
彼の文学史上最大の功績は短歌の改良であり、上流階級の遊びごととして形式化し新鮮味が失われつつあったものを、西欧の感覚を盛り込もうとする革新派を支持して改良を実践したようだ。
また1893年には短歌結社の先駈けとなる「あさ香社」を創設し、のちに近代短歌の基礎を築くことになる歌人たちを育てた。
35歳頃から健康がすぐれず療養を余儀なくされたが、講義をもいとわなかったようだ。42歳のとき糖尿病で入院中にもかかわらず母の危篤を聞いて帰郷し病状が悪化、帰京直後自宅で亡くなった。
長い歴史のある文化を変えようとすることは非常に難しいものだが、明治維新の大きな波の中だからこそできたことかもしれない。
企業の改革もやはり、タイミングが重要であり、周到な準備の下に、機を狙って一気にやるのが成功する秘訣かもしれない。ただしそれまでの努力の積み重ねがあってはじめて成り立つものであることを忘れてはいけない。
萩の家 の歌
人の使い方を詠んだ歌ではないんでしょうけど・・・
「おくところ よろしきを得て おきおけば
皆おもしろし 庭の庭石」
彼がはじめて「恋人」という言葉を使ったらしい。
「砂の上に わが恋人の 名をかけば
波のよせきて かげもとどめず」
落合直文の本 古典語彙大辞典 (辞典叢書 (3))
国書辞典 (明治期国語辞書大系)
ことばの泉 (明治期国語辞書大系)