自分だけで生きている  

収穫ダンス

きょうはオーストリアの動物行動学者  カール・フォン・フリッシュの誕生日だ。 1886年生誕〜1982年逝去(95歳)。
ミュンヘン大学の動物学の助手時代から一貫してミツバチに関する研究をした。そしてミツバチが花のありかを仲間に伝える方法を忍耐強い実験と観察により解明し「ミツバチのダンス言語」を発見した。
これは「収穫ダンス」と呼ばれ、花をみつけて自分の巣に戻ってきたミツバチによって巣板の上で行われる。ダンスによる音や振動によって花のある距離と方角を仲間に伝え、自分の所属する巣の維持と繁栄に貢献しているのだ。
「ハチミツの歴史は人類の歴史である」という言葉があるように、ミツバチが生産するハチミツやローヤルゼリー、プロポリス、花粉などは健康食品としてもずいぶんと古くから人の生活に活用されてきた。
ミツバチはいろんな役割を分担して集団で生活を支えている「社会性昆虫」であることはよく知られている。1匹だけで飼ってみると、いくら条件を良くしても、たちまち元気が無くなり、せいぜい2〜3日しか生きていないようだ。
それは人間が孤独に耐え兼ねてノイローゼになってしまう状況によく似ている。
人は家庭でも会社でもいろんな人に助けられて生きているのだが、つい自分だけで生きているように錯覚し、他の人のことを負担に思うことがある。
謙虚に反省し人のことを思いやる気持ちを持ちたいものだ。これによりミツバチより人の方が社会生活において優れていると言うことになる。


フリッシュのことば  「ミツバチは無駄な事はしない」

フリッシュの本  ミツバチの生活から (ちくま学芸文庫)
           ミツバチを追って―ある生物学者の回想 (コスモス・ブックス)
           ミツバチの不思議