考えるだけの人   

地獄に墜とそうか、助けてやろうか

きょうはフランスの彫刻家 オーギュスト・ロダンの誕生日だ。1840年生誕〜1917年逝去(77歳)。
パリの下町に生まれ、黒板の字が見えないぐらいの近眼で学校の成績も振るわず絵を書くことしか楽しみがなかったようだが、国立美術学校の入試には3度も失敗している。
若いころは認められなかったが、自活しながら勉強を続け35歳頃から注目を集めるようになった。ミケランジェロに大きな影響を受け、単なる写実に満足せず内面的深まりと生命を表現した数々の傑作により、その後の近代彫刻の展開にはかりしれない影響を与え、「近代彫刻の父」といわれている。
日本においては「考える人」が有名だが、この彫刻は単独作品ではなく、「地獄の門(未完)」の一部として制作され、このなかで地獄に堕ちていく人々を眺めているように配置されている。
彼にはローズという内妻がいたが、弟子のカミーユ・クローデルと愛人関係になっている。若く美しかった彼女は彫刻の才能も天才的であったがロダンとの関係に悩み精神異常になっている。また日本人の花子と言うモデルがいて、小さな花子と呼ばれてかわいがられ数多くの作品のモデルになっている。
ニューヨークの世界貿易センタービルで起きた同時多発テロで、数多くの尊い人命と共に、ロダン・コレクションを含む貴重な美術品が多数失われたことは決して忘れてはいけない重大な事実だ。
彫刻でも絵画でも完成されたものだけを見ることが多いが、それができるまでには何回も習作というか試作を作っているようだ。
現場改善をする場合でもやってみてダメならまたやり直すぐらいの気持ちでやると成功する場合が多い。また成功しても、それに満足せず、さらに改善を重ねるようにしないといけない。考えるだけの人は要らない。


ロダンのことば  「天才?そんなものは決してない。ただ勉強です。方法です。
           不断に計画しているということです」

ロダンの本  マルセイユのロダンと花子マルセイユのロダンと花子

         オーギュスト・ロダン (タッシェン・ポストカードシリーズ)
ロダンの映画  カミーユ・クローデル [DVD]カミーユ・クローデル [DVD]