やらせてみる包容力   

シラーとゲーテ

きょうはドイツの劇作家、詩人であり歴史学者 フリードリッヒ・フォン・シラーの誕生日だ。1759年生誕〜1805年逝去(45歳)。
軍医の子として生まれ軍人養成学校で法律と医学を学んでいるときに、シェークスピアなどの文学に興味を抱きその道に進むようになった。

作家として有名になりゲーテとも親交を深めるようになると、さらに偉大な作家になり、ゲーテと並びドイツ古典主義の代表になっていった。
処女作「群盗」で、自由と正義の復活という理想を抱き盗賊として不正な権力者と戦う姿を書いているが、あまりに衝撃的で盗賊団になりたい若者が大量に出現し、彼は医学書以外の著作を禁じられてしまったと言われている。
日本で年末の恒例行事として演奏されるベートーベンの交響曲第九番「合唱」の詩は、シラーの詩「歓喜に寄す」で、その人類愛と平和を訴える内容に感動したベートーベンが、かなり早い時期からこの詩をもとに作曲しようと思っていたものだそうだ。
医学の道を断念し作家になろうと決心し一歩を踏み出す勇気こそが彼を作家として成功させた原因ではないかと思う。またそれを容認した父親もすばらしい。
会社においても、部下がこれをやりたいと言ったとき、リスクをかけてやらせてみる包容力が、部下を育て会社を発展させる原動力になるのだ。


シラーのことば  「思案ばかりしている者は、成すことが少ない」

           「人はすべて、自分自身に"値札"をつける」

           「太陽が輝く限り、希望もまた輝く」

           「友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする」
シラーの本  人間の美的関心考―シラーによるカント批判の帰趨人間の美的関心考―シラーによるカント批判の帰趨

         群盗 (岩波文庫)