あげても減らない 

テスト画像:何に見えるかな

きょうはロールシャッハテストを考案したスイスの精神病理学者 ハーマン・ロールシャッハの誕生日だ。1884年生誕〜1922年逝去(37歳)。
このテストは、シミで作ったあいまいな絵を見て反応するなかに願望・欲求・情動など人の内面的な世界が露わにされ、それを分析して人格診断をするのである。ことばによる文化的制約がないことからいろんな領域で用いられ、不思議なくらい当たるようだ。
彼は印刷物にたまたまインクのシミが付着して絵のようになっているのを見て興味を持ったとか。そして1921年に、インクを落とした紙を半分に折り再び広げて出来た左右対称のインクのシミに子どもたちがいろんな反応をするのを見て、人格診断検査法「ロールシャッハ・テスト」を考えついたようだ。
彼が急死する前年だった。
これに似たような占いもあるが、これとの決定的な違いは莫大なデータの裏づけがある点だ。彼の死後、世界中でテストが実施され結果はデータベースとして共有化されている。
すばらしいアイデアでもそれを育てる力が無くては実現しないことが多い。また情報も自分だけで抱え込んでいては生きてこない。情報は共有化してこそ情報の意味が出てくる。情報こそはいくら人にあげても減らないどころか増えることだってある。
ロールシャッハ・テストではないが、天気がいい日に空の雲を見ていると、自然に気持ちが豊かになり落ち着いてくるような気がする。
空は偉大だ。



ロールシャッハの本
  包括システムによるロールシャッハ臨床―エクスナーの実践的応用包括システムによるロールシャッハ臨床―エクスナーの実践的応用