意識して隠そうとしても
きょうはフランスの画家 マリー・ローランサンの誕生日だ。1883年生誕〜1956年逝去(73歳)。
よく知られている淡い色彩の夢見るよな乙女像は、パステルを巧みに配し詩情豊かに描かれていて、見ただけでローランサンとわかる個性には独創性と魅力を感じてしまう。
女性らしい豊かな感受性と独特の柔らかい感じの絵だが、痩せた狐顔の少女にどこか寂しげな印象を受けるのは、彼女が私生児として生まれ結婚・離婚を何度か繰り返しつらい亡命生活をも経験しているということから来るのかもしれない。
人の過去の経験とか生活は意識して隠そうとしてもどうしても顔とか行動に出るものだが、そのためにも常日頃から清く正しい考え方で行動するように心がけたいものだ。
ローランサンの詩「鎮静剤」 (堀口大学訳)
退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です
悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です
病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です
捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です
よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です
ローランサンの本 恋を追う女―小説マリー・ローランサン
ローランサン―夢みる人 (文庫ギャラリー)