背中を見る   

きょうは翻訳詩人 上田敏(びん)の誕生日だ。1874年生誕〜1916年逝去(41歳)。
日本近代詩の発展段階では多くの詩人が海外の詩から様々な影響を受けているが、その中でも上田敏は天才的な語学力と表現力を駆使し、英・独・仏・伊の詩を翻訳して明治の詩壇に大きな影響を与えた。
 [山のあなた---カール・ブッセ]
  山のあなたの空遠く
  幸い住むと人のいふ。
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通常の文章を翻訳する場合は不明確な部分があっても前後の文章から推測できるが、詩の場合はことばが少なく言い回しも難解であるため、翻訳は相当困難を伴うものであると推せられる。当然翻訳者も詩人と同等以上の表現力を持っていなくてはならないし、それに加えて詩の感覚を理解する力も必要となる。
工場の管理者は自分の考え方を部下に対しいかに正しく確実に伝えるかが大切になる。人により受取り方が違っていては困る。正しく伝えるためには部下全員と日頃から直接ことばを交わす時間を持つなどして、自分と言う人間を知ってもらう必要がある。
管理者は化粧をした部下の顔を見て判断するため間違いをおかすが、部下は何も飾ることができない管理者の背中を見るので正しい判断をすると言われている。
上田敏の翻訳本  海潮音―上田敏訳詩集 (新潮文庫)
            上田敏全訳詩集 (岩波文庫 緑 34-1)