未来について考える   

アシモフ

きょうはソビエト生まれでアメリカのSF作家、生化学者、科学評論家 アイザック・アシモフの誕生日だ。
1920年生誕〜1992年逝去(72歳)。
ロシアのペトロビッチユダヤ系ロシア人として生まれ、3歳の時、家族とともにアメリカのニューヨークに移住し、5年後の1928年にアメリカに帰化した。少年時代は、キャンディ・ストアを営む両親とともにニューヨークで育つが、その頃から大変な読書家で、近所の図書館の本を片っ端から読み漁ったようだ。
アシモフが9歳の時、父親が一冊のSF雑誌を買い与え、これがきっかけでSFのとりこになった。しかも父親はタイプライターを買ってやり、文章を作ることの大切さを教え、アシモフは18歳頃からSF小説を出版した。1939年コロンビア大学では生物学を専攻し、途中で第二次世界大戦となり海軍に属する。卒業後、ボストン大学医学部の生化学の教授となりガンの研究をした。他にも神話学や地理学、言語学などの分野でも数多くの著作を残している。
彼は名編集長ジョン・W・キャンベル門下の優等生で、SF黄金時代(1940年〜50年代)を代表する作家であった。何より書くことが好きで、生涯に500冊近くの本を書いている。
アシモフ人道主義者かつ合理主義者であった。純粋な信仰心には反対しなかったが、超常現象や根拠のない思想に対しては断固とした態度を貫いた。
その他、彼はいろんな場面で明確な主張を通している。政治的問題においては進歩的で民主党の強い支持者だった。さらにスリーマイル島の事故以降も一般社会への原子力の応用に肯定的であった。このほか、人口管理の重要性を訴えている。また、地球温暖化オゾン層の破壊といった環境危機についても論じている。
彼はロボットであまりにも有名だが、それは彼がロボットの存在を設定することで、人類の未来について考えることを促した警告である。彼が言いたいことは、ロボットの研究を進め、人間にとって都合のよい機械を作ることではなく、人類は今後どのように生きていくべきか、ということではないのだろうか。
企業においても、合理化により無駄な作業は無くさなくてはいけないし、いわゆる3K(きつい、汚い、危険)の仕事はロボット化も検討していけばよい。
しかし人ができることをむやみにロボット化することはどうなのだろうか。企業は人のためにあるとしたら、よく考えないといけない。

◆ロボット
1920年劇作家カレル・チャペックが、チェコ語の強制労働「ロボータ」とスロバキア語の労働者「ロボトニーク」を合わせて作った。 ◆ロボット工学三原則
1950年SF小説「われはロボット」の中で提唱した。
 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を
  下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
 第二条 ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。
  ただし第一条に反する命令はこの限りではない。
 第三条 ロボットは第一条、第二条に反するおそれのない限り、
  自己を守らなければならない。 ◆鉄腕アトムのロボット法
 1965年に掲載され、2003年に制定された。
 ・ロボットは人間に尽くすために生まれてきたものである。
 ・ロボットは人を傷つけたり殺したりしてはいけない。
 ・ロボットは作った人間を父と呼ばなくてはならない。
 ・ロボットは何でも作れるがお金だけは作ってはいけない。
 ・ロボットは海外へ無断で出かけてはならない。
 ・男のロボット女のロボットは互いに入れ替わってはいけない。
 ・無断で自分の顔を変えたり別のロボットになってはいけない。
 ・大人に作られたロボットが子供になったりしてはいけない。
 ・人間が分解したロボットを別のロボットが組立ててはいけない。
 ・ロボットは人間の家や道具を壊してはいけない。

アシモフの映画
  アンドリューNDR114 [DVD]アンドリューNDR114 [DVD]
  アイ,ロボット 通常版 [DVD]アイ,ロボット 通常版 [DVD]












アシモフの本
  アシモフの雑学コレクション (新潮文庫)アシモフの雑学コレクション (新潮文庫)
  はだかの太陽 (ハヤカワ文庫 SF 558)
  ロボットの時代 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)ロボットの時代 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)
  鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)
  コンプリート・ロボットコンプリート・ロボット

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